沢木耕太郎著作の「人の砂漠」を読んでいます。 約30年前、20代半ばの著者による濃厚なルポルタージュです。 かけ離れた日常世界、タブーな部分に踏み込んだ作品です。 人の砂漠 (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1980/12メデ…
海沿いを車で30分ほど南下したところに大槌町というところがあります。 海に面した場所なので、今回の震災により壊滅的な被害を受けました。 大槌町には「吉里吉里(きりきり)」という地区があります。 80年頃、ベストセラーとなった 故・井上ひさしの…
寥寥とした更地を掻き分けるように通る一本道を自動車で走っている。 所所に、人たちの生活が瓦礫となって、盛り塩のように積み上げられている。 助手席(となり)には、小学四年生当時、これといって特段そのような魅力があったわけではなかったが、クラス…
ニッサンのバネットという自動車が、ニューヨーク市のイエローキャブに選ばれたらしいです。 日産自動車は5月4日、米国ニューヨーク市のタクシーに、同社のバン「NV200」をベースとした専用車両が選ばれたと発表した。2013年後半から導入が始まり、1万3000台…
マツダさんは、品質管理部という部署の部長で、すこし以前(まえ)まで上司だった。マツダさんは、取引先などからのしちめんどくさい電話には、「どうも」のイントネーションを使い分けて対応した。 「はい、お電話かわりました、マツダです」 「ああー、こ…
どんなに膝を折り畳んでみたところで、膝小僧がハンドルをいたずらするようになりだして、いよいよもって、兄のお下がりの自転車の終焉が見えはじめた幼い頃。母親に訴えるも、必死で土俵際で踏みとどまって見せるばかり。 仕様がなく、自身の身体よりはるか…
この間、ひとつ歳を塗り重ねた晩のこと。 マジックインキで家族の連名が記された、図書カード5枚収まった包みがパソコンのキーボードの上に鎮座ましましていた。「センセイの鞄」を読み終えてから、のどぼとけあたりにずっと引っかかったままだった川上弘美…
去年、日差しがじりりとしてきた時分、彼がドジョウを家に連れて帰ってきた。 さてさてどうしたものかと、急いで45cmの樹脂製水槽に水を入れて、一日寝かして飼育することにした。 ちょうど、点いていたカートゥン・ネットワークを観て、その容姿風貌から「…
ジャッキー・チェンの代表作に「ドランクモンキー 酔拳(1979年公開)」という作品があります。 劇中、ジャッキー・チェン演じる主人公に「酔拳」を教えた、酔っ払い老師「蘇乞児」の若き日の活躍を描いた作品「トゥルー・レジェンド(原題)」が、6月25日(…
ユラユラと Youtube をさまよっていたら、なんとなく UAにたどり着きました。みんなのうた(NHK)の「PoPo Loouise」が一番好きです。 「傘がない」。 井上陽水さん、ごめんなさい、このカバーは良すぎます。 「ペピン(AJICO)」。 ベンジーさん、ごめんな…
たぶん、あの頃に外装部分を振動やたわみに強く、加工もし易いスティールのものに変えたのだと記憶してます。 素地の耐久性を考え、下地処理を念入りに施して、歯磨き粉みたいな真白い色をムラにならないように塗り重ねました。 一年ごとに色を塗り直して耐…
「コブラ」、と言っても、キャロル・シェルビーが、ACエースのボディに 7ℓのV8を搭載(つん)だ今やコレクターズアイテムと化した車ではありませんし、元祖日本の oiパンクバンドでもありません。80年代に少年ジャンプで連載していた漫画の「コブラ(寺沢…
一応、4月29日から5月5日まで連休でしたが、何年か振りに何も予定のない黄金週間を過ごしました。細君は、鍵盤を抱えて避難所をまわって復興活動のお手伝いだったので、その様子を子供らとブラウン管の外で眺めていたのが、連休前半唯一の記憶。5月2…
例年に比べて、3週間ほど遅れの25日ぐらいから、市内の小中学校は一斉に(やっと)始まったようです。歩道脇の緑の中に黄色の花を目にするように、学校に向かうランドセルが踊る中にも黄色い帽子を目にして日常を感じました。下駄箱のスノコに躓いて転ん…
昨日は朝から穏やかな午前中でしたが、脳に向かうはずの血液が寄り道をはじめた頃に、ふと目を上げた窓の外が瞬く間に暗くなりだして、湯飲み茶碗の柄みたいにアスファルトが本来の色を取り戻し始めました。そうしているうちに、窓を叩く音が次第に高くなり…
一昨昨日、今週末に車検満了となる車で、近所のカー用品店に向かった。 カウンターで対応したのが、偶然にも同級生だったため、あの日にこうしていたら、こうなってこうだったとか話してたら、なんだかお互いの自慢話みたいになってきたので「車検をお願いし…
オブシディアン(黒曜石)のような黒目が印象的で、6.23:3.77ぐらい微妙な髪の分け目がチャーミングな女性に「揺れ動いているのは、あなたを想う気持ちからなの...」と、すっかり忘れかけていた情景な夢を見ていたら、揺れ動く余震で目が覚めました。細々…
破傷風に十分注意 がれき撤去で感染の恐れ 医療関係者ら呼び掛け被災地では、作業中にがれきでけがをしたり、くぎを踏み抜いたりする危険性がある。さらに衛生状態も悪く、けがをしても水が十分に使えない場合もあるため、感染の可能性は高まり、すでにボラ…
震災後は、自分のキャパをはるかに超える、受け入れがたい現実に飲み込まれそうになるため、自分でエラを動かすことが出来ないマグロのように、生きるために泳ぎ続けるような日々を過ごした。ライフラインが落ち着いた頃、気分転換にDVDをトレイに載せるも、…
両側に大型のホームセンターやドラッグストア、酒のディスカウント店、コンビニエンスストアが建ち並ぶ片側二車線の先は、緩やかな登り路。ちょうど天辺あたりに信号機がある。左脇の歩道に「この先一車線」「車線減少」の黄色地に朱書きの立看板が、ドミノ…
「さっきマインドを空にしろと言ったよね、 カタチを無くすんだ、カタチを無くすんだ、水のようになるんだよ 水はコップに入ればコップの形になる、 ビンに入ればビンの形になる、 ティーポットに入れればティーポットの形になるんだ 水は流れることも出来る…
今回の災害により、目に見える被害と、目に見えない被害が発生した。目に見える被害の復旧状況は日々目にして確認できるが、目に見えない被害の復旧状況は耳にすることしか出来ない。これにより風評被害という二次的災害も発生しているのが現状。市町村合併…
その店の前を通ると、裏の自動車整備工場で軽自動車みたいなクラウンが横転している様子が見えます。そのたびに、私立探偵スペンサー・シリーズがハードカバーで全巻揃っていて一冊百円だったにもかかわらず、手に入れなかったことを後悔してしまいます。震…