今週のお題

知恵熱

寥寥とした更地を掻き分けるように通る一本道を自動車で走っている。 所所に、人たちの生活が瓦礫となって、盛り塩のように積み上げられている。 助手席(となり)には、小学四年生当時、これといって特段そのような魅力があったわけではなかったが、クラス…

マツダさん

マツダさんは、品質管理部という部署の部長で、すこし以前(まえ)まで上司だった。マツダさんは、取引先などからのしちめんどくさい電話には、「どうも」のイントネーションを使い分けて対応した。 「はい、お電話かわりました、マツダです」 「ああー、こ…

枯れる

どんなに膝を折り畳んでみたところで、膝小僧がハンドルをいたずらするようになりだして、いよいよもって、兄のお下がりの自転車の終焉が見えはじめた幼い頃。母親に訴えるも、必死で土俵際で踏みとどまって見せるばかり。 仕様がなく、自身の身体よりはるか…

今週のお題は「私の小さなこだわり」です

一昨昨日、今週末に車検満了となる車で、近所のカー用品店に向かった。 カウンターで対応したのが、偶然にも同級生だったため、あの日にこうしていたら、こうなってこうだったとか話してたら、なんだかお互いの自慢話みたいになってきたので「車検をお願いし…