降っても晴れても踏んだり蹴ったり

その店の前を通ると、裏の自動車整備工場で軽自動車みたいなクラウンが横転している様子が見えます。そのたびに、私立探偵スペンサー・シリーズがハードカバーで全巻揃っていて一冊百円だったにもかかわらず、手に入れなかったことを後悔してしまいます。

震災後、色々とあわただしく過ごしていましたが、時間を見つけて読んでいた本です。その店で最後に手にした本でもあります。

スプートニクの恋人 (講談社文庫)

スプートニクの恋人 (講談社文庫)

はじめての村上春樹作品は1Q84でした。それから村上春樹作品に興味を持ち、次の長編に手を伸ばす前に数冊の短編を読んで準備しました。一応準備万端整って読んだ長編です。

村上春樹作品を大して読んでいるわけではありませんが、読むたびに丁寧な描写表現や、独特な比喩よりも、逆説の接続詞に魅了されてしまいます。だからと言って頻繁に使われているわけでは無いと思います。

次の長編は「アフターダーク」と決めているのだけれど、僕が帰る時刻(ころ)には、震災の影響からか、多くの書店は早々に電気を落としている。「やれやれ」と僕は思った。

────と、一応、逆説の接続詞を入れた文章で締めておきます。