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昨日は朝から穏やかな午前中でしたが、脳に向かうはずの血液が寄り道をはじめた頃に、ふと目を上げた窓の外が瞬く間に暗くなりだして、湯飲み茶碗の柄みたいにアスファルトが本来の色を取り戻し始めました。

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そうしているうちに、窓を叩く音が次第に高くなりだして、窓から見える法面の木々の葉がせわしなく挨拶を始めました。次第に腰の折れる角度が段々とキツくなりだして、頭を下げっぱなしの土下座状態になりました。
席を立って、窓から向かいの駐車場を見ると、空から消臭芳香ビーズみたいな球体が降り落ちて地面で激しくバウンドしていました。

一瞬、目が眩むように明るくなると、すぐに、向かいの同僚が失注した見積書を派手に破いているような音がしました。またかと思っていたら、地響きがして、またかと思ったら、雷でした。
地響きが長すぎて余震なんだか何なのかわからず、ちょっとしたパニック状態に陥りました。
ほんの15分ぐらいの出来事でしたが、正直、この世の終わりかと思うほどの光景でした。

窓を風が揺らして雹が叩き、雷が旋律を奏で地響きが牽引する、フレーミングが絶妙なインプロヴィゼーションでした。


思えば、昨年大晦日のこと。
夜中の3時ぐらいから、激しいみぞれと雷が降り出しました。
なにより、雷の威力は強大で、規則正しくカーテンを物ともせずに真夏の太陽のように照らし、轟音を轟かせて震度4ぐらいで家々を揺らしました。
近所の大きなスーパーマーケット辺りに落ちて、火の手が上がり、周辺の信号機や家々は夕方ぐらいまで停電になりました。

とはいえ、人間、慣れというものは恐ろしいもので、昼前には稲光と轟音は日常の一部と化してしまって、冷静に眺めていれるようになりました。
結局、夕方3時ぐらいには、雷も雪もフェードアウトしていきました。
この時降った雪の量は結構なもので、翌々日に旅行で降り立った北海道で、あまりの雪の少なさに拍子抜けしたほどでした。

東北に住んでいますが、太平洋沿岸地域は、冬の季節でも雪が降って積もることは滅多にありません。余裕で片手で数えるぐらいなのですが、年が明けて2月は、結構というか、相当降った月でした。近年稀に見るほどの量でした。市の除雪費が2月だけで底をついてしまったとか度々耳にするほどでした。

そして3月はその通りでした。


最近、リアス式海岸がノコギリの刃が欠け落ちるように海に沈む夢を見ます。
今日のような快晴で気持ちのいい穏やかな日には、例え、風が運ぶものにくしゃみが止らなくても、平穏な日をなるべく満喫しようと思います。