迷い道 くねくね

例年に比べて、3週間ほど遅れの25日ぐらいから、市内の小中学校は一斉に(やっと)始まったようです。

歩道脇の緑の中に黄色の花を目にするように、学校に向かうランドセルが踊る中にも黄色い帽子を目にして日常を感じました。

下駄箱のスノコに躓いて転んで、スノコの継ぎ目に刺さったままの脱げた上履きズックを見ながら泣いたことや、半ズボンを履いた男子は皆白いタイツを履いていましたが、私だけが肌色のタイツを履いているのに気づいて、仲間外れにあっているような顔で集合写真に収まったことや、地区ごとの集団登校では登校班班長の兄が変によそよそしくて妙に厳しかったことや、三年生のキヨシくんが、いつも集合時間ギリギリなので遅刻してしまうんじゃないかと、無駄にドキドキしていたら、オシッコを漏らして結局遅刻してしまったことや、────赤信号に足踏みしているランドセルを眺めていたら、思い出さなくても良い記憶ばかりが青信号に変るように灯りました。

小学校の始まるのが遅れた分、夏冬休みは削られて、子供達は意気消沈していますが、父母達は意気揚々な感じです。


先日、ちょうど岸本佐知子さんのエッセイ集を読み終えた時のことです。
エッセイの中で、たびたび川上弘美さんという作家の方を目にしました。「あるようなないような、やっぱりあるような(気になる部分)」という章で「カワカミさん」として書かれていたりして、川上弘美さんの作品を読んでみたいと興味を持ちました。
ちょうど読了した次の日ぐらいに、いつもお邪魔させて頂いている先で「センセイの鞄川上弘美)」のことをお書きになっているのを目にしました。「なんという(偶然のタイミングな)ことでしょう!(加藤みどり調)」。あぁ、なんてシンクロニシティ!シティー!シティー!ホンダ!ホンダ!ホンダと、ひとりマッドネスで興奮のるつぼに陥ってしまい、なんだか、あらためて地動説が正しいことを実感して、早速、南アメリカに広がるコーヒー色した大河に向けて、マウスを漕ぎ出した次第で御座います。えぇ

センセイの鞄 (新潮文庫)

センセイの鞄 (新潮文庫)

物心ついた頃だったと思いますが、風邪を引いて内科医院に行った時の事です。
リノリウムが独特の匂いを放っていて、それに蓋をするように粗末な黒の長いすが等間隔で並んだ待合室です。正面に天井にぶら下がるようにテレビが据え付けてあります。隙間なく長いすに座った人たちは、口を開けてテレビを食い入るように見ています。ブラウン管の中では、クレーンに吊るされた大きな黒光りした鉄球が、左右に力強く大きく揺れながら建物の壁を容赦なく破壊していました。────というシーンが幾度か頭の中で流れて、「センセイの鞄」が映像化(DVD)されている事を知りました。コンビニで当然のように聞かれる「おにぎり暖めますか?」は、北海道・東北地方しか聞かれないという事実を知った時ぐらいの衝撃でした。いい大人になるまでの間、小泉今日子さんのファンを標榜にしていたので、仕事帰りにレンタル店をはしごしたのは言うまでもありません。

センセイの鞄 [DVD]

センセイの鞄 [DVD]

今週はなんだか、まわりはすでにゴールデンウィークな雰囲気で、手持ち豚さと誤変換するぐらいに手持ち無沙汰な感じです。