句読点の妙

この間、ひとつ歳を塗り重ねた晩のこと。
マジックインキで家族の連名が記された、図書カード5枚収まった包みがパソコンのキーボードの上に鎮座ましましていた。

センセイの鞄」を読み終えてから、のどぼとけあたりにずっと引っかかったままだった川上弘美と、小川洋子の著作をなんら迷うことなく、翌日、数冊手にした。

薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)

溺レる (文春文庫)

溺レる (文春文庫)

二冊とも適度な文量だったこともあってか、立て続けにするすると昼休みのチャイムを四度聞くうちに読み終えた。なんだかずるずるな気分に陥ってしまったのだけれど、床についてから「冬の夢」を読んで、リトマス試験紙が青く呈色する感じで、むしろ心地良かった。

心置きなく、今晩にでもオルガ・キュリレンコを眺めようと思う。

 

昨日、微妙な位置に穴の開いた、最後の図書カードで手にした内田百間

百鬼園随筆 (新潮文庫)

百鬼園随筆 (新潮文庫)