日記

細く長くなる影

八月初めの日曜日、子供らが通うヴァイオリン教室の発表会があった。 六月ぐらいから、家の玄関扉を開けるとヴァイオリンの音色が迎えてくれるようになっていた。 小学校最後となる彼は三曲の課題曲を与えられた。思うように弾けない時など、ヴァイオリンの…

長い休暇の終焉に

夏季休暇明け、靴下を履くと云う苦行に耐えていた昨日夕刻。ディスプレイ傍で、ぶるる、メール受信を知らせるモノが有った。 手に取って、これ確認したならば、細君からだった。 ハナの右前脚が腫れている、右前脚を床に着く事も辛そう、これから又は明日に…

ファッ!

あくびの瞬間を撮るのは難しい。 ...同感です。

amanogawa

茹だりながら仰いだ空には、その時期、雪の上に除雪車が残したキャタピラーの跡に良く似た形の雲が広がっていて、僅かばかり涼を感じるのですが、すぐに空はふやけて霞んでしまう今日この頃。 油断していたら、すっかり今日は七月七日です。細君と一緒に自動…

日本蛇舅母

帰宅して玄関ドアを閉めるやいなや、母屋のほうから靴音高らかに彼がやって来た。 蝶番を軋ませて開け放った玄関先から、自慢に満ちた声で私を呼ぶ。 返事はしたものの、ゴムベルトが汗でまとわりついて腕時計が意地悪した。風通しの良さそうな容器(もの)…

Poladroid

昨日の最高気温が十五度弱だったり、はたまた今日三十度超だったりな日々、この二日間で二ヶ月な気温変化と、水分を含んだ宙空を彷徨いながら、しんなりした日々を過ごしております。いつもお邪魔させて頂いている先で 「poladroid」と云うソフトの事を知り…

イモリは両生類 ヤモリは爬虫類 タモリは哺乳類

震災から三箇月経ったが、他所宅の状況が色々とわからないものだから、休みの日に、子供らが友達宅に遊びに行く事を止めている。自ずと子供らは色々と余してしまい、油断していると、一日中うだうだとゲームばかりしてしまうものだから、陽のあるうちは出来…

そうやすやすと

最近、めっきり随筆の類しか読んでいない。 しかし、川上弘美、町田康、内田百聞、とはキングのベルウッドスペシャルコンボ *1 並であるななどと我ながら関心したりする。 チェーン・スモーキング (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日:…

堕天使の旅路

自動車(くるま)を運転していて、すこしばかり油断していると、ケムシをうまいこと避けきれず、危うく轢きそうになること度度。最近、頓に道路を横断するケムシが多い。完全変態に向けて、好みの草葉をたらふく食するため、餌(草)場を頻繁に移動するため…

屈折する陽光

六月に入る成り、これ非常に多忙となり、なんだかもう、気分的にも曇天の極み。 色々と書きたい事、多々あるのだけれど、あれこれと纏めきれずに、なんだかもう、下書き保存。そんなこんなしていたら、会社のパソコンがうんともすんとも云わなくなる。 なん…

巻雲靉靉として

あめこんこんふってるよ あめこんこんやまないよ あそびにいけない あめこんこんやんどくれ保育所か小学校低学年の頃、今時期に歌わされた唄ですが、題名がわからずに外の天候みたいな気分です。 「〜あそびにいけない〜」部分のメロディラインに、いまだ漠…

あらし

おとつい、「明日、嵐が来るらしい」という話を耳にしたので、家に帰ってからそそくさと家の周りの鉢植えなどを片付けて、テレビもろくすっぽ観ずに枕を高くして寝た。翌朝、刷けた雲がゆっくりと流れる薄い天色した空と、テレビの天気予報図のずいぶんと左…

鳴き砂

海沿いを車で30分ほど南下したところに大槌町というところがあります。 海に面した場所なので、今回の震災により壊滅的な被害を受けました。 大槌町には「吉里吉里(きりきり)」という地区があります。 80年頃、ベストセラーとなった 故・井上ひさしの…

知恵熱

寥寥とした更地を掻き分けるように通る一本道を自動車で走っている。 所所に、人たちの生活が瓦礫となって、盛り塩のように積み上げられている。 助手席(となり)には、小学四年生当時、これといって特段そのような魅力があったわけではなかったが、クラス…

You talkin' to me ?

ニッサンのバネットという自動車が、ニューヨーク市のイエローキャブに選ばれたらしいです。 日産自動車は5月4日、米国ニューヨーク市のタクシーに、同社のバン「NV200」をベースとした専用車両が選ばれたと発表した。2013年後半から導入が始まり、1万3000台…

マツダさん

マツダさんは、品質管理部という部署の部長で、すこし以前(まえ)まで上司だった。マツダさんは、取引先などからのしちめんどくさい電話には、「どうも」のイントネーションを使い分けて対応した。 「はい、お電話かわりました、マツダです」 「ああー、こ…

枯れる

どんなに膝を折り畳んでみたところで、膝小僧がハンドルをいたずらするようになりだして、いよいよもって、兄のお下がりの自転車の終焉が見えはじめた幼い頃。母親に訴えるも、必死で土俵際で踏みとどまって見せるばかり。 仕様がなく、自身の身体よりはるか…

Sundays and Goldfish

去年、日差しがじりりとしてきた時分、彼がドジョウを家に連れて帰ってきた。 さてさてどうしたものかと、急いで45cmの樹脂製水槽に水を入れて、一日寝かして飼育することにした。 ちょうど、点いていたカートゥン・ネットワークを観て、その容姿風貌から「…

男の子ってのはね・・・ 誰だって1回は「地上最強」てのを目指すのさ・・・

ジャッキー・チェンの代表作に「ドランクモンキー 酔拳(1979年公開)」という作品があります。 劇中、ジャッキー・チェン演じる主人公に「酔拳」を教えた、酔っ払い老師「蘇乞児」の若き日の活躍を描いた作品「トゥルー・レジェンド(原題)」が、6月25日(…

大厄らしいのです

たぶん、あの頃に外装部分を振動やたわみに強く、加工もし易いスティールのものに変えたのだと記憶してます。 素地の耐久性を考え、下地処理を念入りに施して、歯磨き粉みたいな真白い色をムラにならないように塗り重ねました。 一年ごとに色を塗り直して耐…

狂乱のハッピーの後 カーブを曲がりきって

「コブラ」、と言っても、キャロル・シェルビーが、ACエースのボディに 7ℓのV8を搭載(つん)だ今やコレクターズアイテムと化した車ではありませんし、元祖日本の oiパンクバンドでもありません。80年代に少年ジャンプで連載していた漫画の「コブラ(寺沢…

Cherish The Day

一応、4月29日から5月5日まで連休でしたが、何年か振りに何も予定のない黄金週間を過ごしました。細君は、鍵盤を抱えて避難所をまわって復興活動のお手伝いだったので、その様子を子供らとブラウン管の外で眺めていたのが、連休前半唯一の記憶。5月2…

迷い道 くねくね

例年に比べて、3週間ほど遅れの25日ぐらいから、市内の小中学校は一斉に(やっと)始まったようです。歩道脇の緑の中に黄色の花を目にするように、学校に向かうランドセルが踊る中にも黄色い帽子を目にして日常を感じました。下駄箱のスノコに躓いて転ん…

therefore

昨日は朝から穏やかな午前中でしたが、脳に向かうはずの血液が寄り道をはじめた頃に、ふと目を上げた窓の外が瞬く間に暗くなりだして、湯飲み茶碗の柄みたいにアスファルトが本来の色を取り戻し始めました。そうしているうちに、窓を叩く音が次第に高くなり…

今週のお題は「私の小さなこだわり」です

一昨昨日、今週末に車検満了となる車で、近所のカー用品店に向かった。 カウンターで対応したのが、偶然にも同級生だったため、あの日にこうしていたら、こうなってこうだったとか話してたら、なんだかお互いの自慢話みたいになってきたので「車検をお願いし…

決まり手は勇み足

オブシディアン(黒曜石)のような黒目が印象的で、6.23:3.77ぐらい微妙な髪の分け目がチャーミングな女性に「揺れ動いているのは、あなたを想う気持ちからなの...」と、すっかり忘れかけていた情景な夢を見ていたら、揺れ動く余震で目が覚めました。細々…

丁字路を右へ

破傷風に十分注意 がれき撤去で感染の恐れ 医療関係者ら呼び掛け被災地では、作業中にがれきでけがをしたり、くぎを踏み抜いたりする危険性がある。さらに衛生状態も悪く、けがをしても水が十分に使えない場合もあるため、感染の可能性は高まり、すでにボラ…

渋みがつよいスプモーニ

震災後は、自分のキャパをはるかに超える、受け入れがたい現実に飲み込まれそうになるため、自分でエラを動かすことが出来ないマグロのように、生きるために泳ぎ続けるような日々を過ごした。ライフラインが落ち着いた頃、気分転換にDVDをトレイに載せるも、…

穴のあいたポケット

両側に大型のホームセンターやドラッグストア、酒のディスカウント店、コンビニエンスストアが建ち並ぶ片側二車線の先は、緩やかな登り路。ちょうど天辺あたりに信号機がある。左脇の歩道に「この先一車線」「車線減少」の黄色地に朱書きの立看板が、ドミノ…

脱皮できない蛇は滅びる

今回の災害により、目に見える被害と、目に見えない被害が発生した。目に見える被害の復旧状況は日々目にして確認できるが、目に見えない被害の復旧状況は耳にすることしか出来ない。これにより風評被害という二次的災害も発生しているのが現状。市町村合併…