ちょうどその頃に似た陽気

時期やタイミングを見計らって適度に降ってくれれば皆が喜んでくれる。おもちゃ屋の前で駄々をこねる子供みたいな降り方をするからいけない。遠くのほうで除雪車が走る音を耳にして朝目覚めるとカーテンを開ける気にすらならない。そんな雪も最近は、日陰で最後の抵抗にアスファルトの隅を必死になって濡らしはじめた。

先週末はずいぶん春めいた日差しが自律神経を刺激したので、昼ごはんと買い物ついでにと隣町までアクセルを踏み込んだ。左に張り替えたばかりの障子のような水面が広がり、紐が切れて散らかったビーズみたいにキラキラしている。

昼ごはんにと、海に近い国道沿いのドライブインの駐車場に乗り入れる。耳元をかすめる風は冷たいながら幾分やさしさを感じた。海の幸満載のラーメンに入った海老が栄養失調で不憫に感じた。ホタテが歯の隙間に入り込んで悪さした。

買い物した後、せっかくだからと近くの温泉施設に向かう。少し早い時間であったが結構込んでいた。露天風呂には太陽と同じにちょっと首を西に傾けた即身仏が並んでいた。

風呂の帰り道、細君のリクエストで隠れ家的な創作和菓子屋さんに寄ることにする。立地的にわかりづらいところにあるのだが相変わらず女性中心に混んでいたりした。
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窓を開ければそこは昭和な佇まい。
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抹茶はセルフでたてる。彼女が幼稚園でお茶を習っていたと鼻にかけながらたててくれた。泡はたつが茶柱がたつことはない。
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春らしいと思って撮ったが、よく見ると細君が写りこんでいた。
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──おわかりいただけただろうか。