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初雪 ただしそれは記憶が正しければのこと
骨格筋の持久力の維持向上や筋肥大を目的とした筋力トレーニングを日々努力していたが、所詮 5kgのバーベルにも満たない、瞼の重さを支えることに苦痛を感じ、彼と彼女によって制圧状態にあるが、唯一残された私の聖域に向かうことにした。
小学高学年頃ぐらいから、なぜだか階段の昇降時に頭の中で数えてしまう癖が身についてるようで、昨夜も 9段目の左手に外を覗けるぐらいの窓の高さに達したとき、外の景色が一変していることに気づき、思わず「じゅぅおいぃ〜」と声を出してしまった。
彼女を「牛ほめ」と「ちりとてちん」を駆使して*1、おとした時が 22時、声を荒げた今が 24時。
その2時間で景色は、犯罪の疑わしい物的証拠が不十分な状態から、無罪放免になっていた。無罪であったことを祝うように、大小の白色の紙ふぶきも舞っている。
いつもなら右手人差し指を立ててまわしながら、車のルーフに駆け上がり、ムーンサルトプレスを2回連続で雪上に決めてしまいたい衝動に駆られるのだが、今回は逆でムーンサルトプレスを受ける側になった気分に陥った。むしろ膝を立てて自爆を誘いたい気分だ。
今、この時点で冬用のタイヤに履き替えていないのだから。
だからといって、夜なべして手袋編むようにタイヤ交換する気力も無く、翌朝5時に目覚まし時計の朱色したセット針を わざと二、三周廻して最後の抵抗を試みたりしたが、結局諦めて枕に頭を乗せた。
そんな朝から無駄に労力を費やした日であったが、雪が積もっているだけで犬のようなテンションの一日だった。
*1:読み聞かせの話であるが、最近じゃ絵本に飽きてしまって落語まで手を伸ばしてしまっている