春暁のまま

  • 実家での食事配給の話(こと)

電気ガス水道が止まっている(お湯を沸かすどころかお湯に化ける物質さえ無い)状況で、一食分としてカップ麺(大体は赤いアレとか緑のソレ)が配給されることが多々ある。それにコカコーラなどの炭酸飲料水の組み合わせ。毎回では無いと付け加えておく。実家の近所に残っている世帯の大半は、余裕で50歳を超える年齢層。正直結構酷だと思う話(こと)。

  • 通った先での唯一の楽しみだった話(こと)

日々、迷彩服の一団が瓦礫の山をやってくる。ひとりが指示すると、えいやーと家の屋根をひっくり返したり、えいやーと逆さになった車をひっくり返したり。確認作業が終わると、「済」とベニヤ板の端切れに白や赤のスプレーで書いて、その場所に立てかける。そうして次の瓦礫に向かう。入隊したいと考えてみたりする。震災から三日目の午前中には群馬から、午後は秋田から、次の日は京都、そのまた次の日は北海道から、わざわざやって来てくれた。交わす言葉の語尾に残るニュアンスに、少しだけ旅行気分に浸れた話(こと)。

  • 遠い親戚より近くの他人の話(こと)

昨日、風呂の日と決めている日だったので、実家に母を迎えに行った。実家のまわりの瓦礫が片付けられ、母の自慢だった庭の面影が垣間見えていた。ガソリン供給がなんとなく安定してきた今週。母の友達や知り合いが連日訪れて再会に涙しながら、片付けを手伝ってくれているらしい。かろうじて踏みとどまった梅の鉢植えが、もうすぐ咲きそうだと言われた夜の話(こと)。

  • ちょっと言い訳じみた話(こと)

震災後、普段よりも早くに床につくようになった。本を読むことも、映画を観ることも、なんとなく集中できない。布団の中に iPod touchを持ち込んでごろごろする。iPod touchのアプリケーションに「はてな touch」なるものがある。最近アップした記事は、そのアプリケーションで書いたもの。読み返せば、読点の振りどころや送り仮名などあきらかに変。いつも以上に読みづらくて申し訳ありません。モニター前で赤面しながら、修正している日々。アップする前にキチンと確認しろよって話(こと)。