形成される記憶のヒダ
過去の記憶を蘇らせるてくれる一番のツールは音楽と匂いだと思ってる。
匂いというのは、雨が降る前の湿度を含んだまとわりつく感じだったり、遠くでロケット花火が聞こえるテトラポットからの星空だったり、ローラーを轟かし敷かれたばかりのコールタールだったり、友達の家でしゃぶしゃぶを食べながら裏ビデオを観たときのゴマだれだったり、初めて敗北を知ったときの前歯をへし折られた赤錆びた味だったり、あの娘の好きなマリブのココナッツラムだったり、戻すものも出るものも無くて涙目で便器を抱いたトイレのカビ臭さだったり、大好きだった彼女の西日のあたる部屋のタオルケットだったり、その時々の感受能力が知り得た情報。
20年ぐらい前にヘビロテで聴いていた「シャーデー」。
ここしばらく名前すら聞かなくなったと思っていたら10年ぶりにアルバム発表だとか。
ジャズ、ソウル、レゲエといった枠を超え、“シャーデー・サウンド”としか呼びようのない唯一無二のクールな音世界を作り上げた、シャーデー(Sade)。前作『ラヴァーズ・ロック』(2000年)から約10年ぶりとなるニュー・アルバムが、ついにリリースされます!
シャーデー(Sade)、10年ぶりのニュー・アルバムを2010年2月にリリース - CDJournal.com ニュース
Soldier of Loveposted with amazlet at 10.02.24おすすめ度の平均:9年ぶりの天才復活!!!!!!
分かる人は分かる
まだ…
凄い…のだが。
あっという間に聴き終わりそして何度もリピートする音楽
今でも「シャーデー」を聴いてると、乗ってたルノー5(サンク)バカラのレザーシートのトリートメント剤、吸ってたゴロワーズの両切り、A.P.Cのノンウォッシュジーンズ、シャネルのエゴイスト、当時の匂いが鼻腔いっぱいに広がる。
その匂いにぶら下がるように汲みあげられる記憶の大半は思わず頬を赤らめてしまうものばかり。
決していいものばかりではないのも事実。
これから、どれくらい記憶をとどめておく事が出来るかわからないから、それに必要な音楽として早速購入することにした。
出来るだけ良い記憶を残したいものだ。