巻雲靉靉として

あめこんこんふってるよ
あめこんこんやまないよ
あそびにいけない あめこんこんやんどくれ

保育所か小学校低学年の頃、今時期に歌わされた唄ですが、題名がわからずに外の天候みたいな気分です。
「〜あそびにいけない〜」部分のメロディラインに、いまだ漠然とした嫌な記憶が漂います。

例年より早い入梅の話が飛び交う今週末。
子供たちはすることがないと、すぐにゲームに向かってしまうので、チチはすることをなにかと考えます。
子供たちから話を聞くと、図画工作の時間に絵を描くことが、昔に比べると少なくなったような気がしました。
ちょうど、色鉛筆、クレヨン、水彩絵の具など救援物資に四セットほど頂いたものがありましたので、絵を描かせることにしました。
絵を描くことに飽きた後のことを考えて、チチは家の中でスタンプラリーや、宝物捜しをするための地図などを描きました。

そんなこんなしても、一日分の体力(ちから)を余してしまうので、「ごっこ」の相手をさせられます。もちろんチチは真剣に受けてたちます。
相手は主に彼女なのですが、週間少年ジャンプ連載中の漫画がごった煮されたような戦い「ごっこ」です。

「ごっこ」には暗黙の了解があります。

  • ここぞとばかりに繰り出す必殺技から(特別なこと* が無い限り)逃げたり避けたりしてはならない。
  • 必殺技を発動する場合は、事前に技名を高らかに叫ばなければならない。また、必殺技をより効果的にするために技名を残響させることが望ましい。
  • 前項、必殺技発動の準備段階で無闇に攻撃したり、話しかけたりしてはならない。
  • 必殺技が放たれた場合の動作は、攻撃側および受け側ともにスローモーションでなければならない。
  • 必殺技を受けた側は、通常攻撃の最低三倍以上のダメージを負ったフリ(特別なこと* が無い限り)をしなければならない。

   * "特別なこと" とは−

        • その行為によって より前向きな進展が期待される、または進展があると判断した場合。
        • "特別なこと"を実施する場合、受けて側が能動的に判断して行動しなければならない。

暗黙の了解を破ると、あることないことをママに言いつけられたりするので注意が必要です。

彼女の必殺技は「ジンバブエ」というパンチです。「じんばぶえぇぇぇーっ」と叫びながら放たれます。
「テルアビブ」という必殺キックもありますが、繰り出す頻度はやや控えめな感じです。
この週末、必殺パンチ「ジンバブエ」は、「シシカバブー」というダブルパンチに進化を遂げました。
受け手は後方にでんぐり返しを二回しなければなりません。さあ大変。

同じ歳だった頃の彼の必殺技は、「ペネロペ・クルス」というパンチ技でした。
「ペ・ネ・ロ・ペぇー(ぐっと溜める)... (吐き出す感じで)ク・ルぅぅーーースぅっ」と叫びながら放たれます。思えば「かめはめ波」的な感じです。

子供たちにとって、海外の都市名や料理名、はたまた女優の名前は、必殺技として耳新しいようです。